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ピートモスとは｜組成植物や色調や腐植度による違い｜王子木材緑化のピートモスの特徴｜有機JASへの対応（育苗）

ピートモスは、高山や冷涼な気候の沼地や湿地に生えた植物が積み重なって、永い年月を経て泥炭化した天然の有機質土壌改良材です。日本でも北海道等一部でヨシやスゲ等が泥炭化したピートモスが採取され土壌改良材として利用されていますが、大半は品質の安定したカナダ産などの輸入品が使われています。ピートモスは柔軟な植物繊維が土壌の固結を防止して、空気を多くとり込んで植物の根張りを良くする働きや、保水力を改善する効果が認められ、土壌改良材として地力増進法に指定されています。当社のピートモスには、水分を調整して異物をフルイ分けた製品（無調整ピートモス）と、そのｐＨを調整し初期肥料やパーライト等を混合した製品（調整ピートモス）の２タイプがあります。

ピートモスの採取風景（カナダ）

あまり知られていませんが、ピートモスは生産地域等によって全く違った植物からできており、その特性も違っています。

（１）ミズゴケピートモス

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高緯度地域のミズゴケが主成分
Sphagnum Peatmoss（スファグナムピートモス)
代表的な産地：カナダ

（２）水草ピートモス

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低緯度地域のスゲやミズガヤ・ヨシ等の水草を主成分
Sedge Peatmoss（セッジピートモス）
代表的な産地：ロシア南部・中国等

※一般に、ミズゴケピートモスの方が水草ピートモスに比べ、繊維の反発力があり培土の目減りが少なく、
土壌を膨軟にし保水力を高める効果に優れているとされています。

（１）薄色（白色）系ピートモス

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繊維が長く、復元性が高いため、特に土壌の 膨軟化に効果が高い。

（２）褐色系ピートモス

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有機酸の含有量が多く、土壌の化学性改良に効果が高い。

（３）黒色系ピートモス（泥炭）

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カナディアンウイスキーのモルト燻蒸等に使用される。

※一般に、黒色に近づくほど分解が進み、有機酸の含有量が高くなる傾向があります。

　　バンポスト法とは、ピートを握った様子からピートモスの腐熟度を判定する方法です。
　　バンポスト法により、腐熟度はH1〜H10に分けることができ、その中でH1〜H5が
　　農業用に適した腐熟度だといわれています。

王子木材緑化では、カナダ東海岸ニューブランズウィック州産のMAIN RIVER（メインリバー シリーズ）を中心に、直接現地の生産 工場を訪問して製品指導を続けています。

王子木材緑化のピートモスには、以下の特徴があります。

（１）	ピートモスの細胞壁に水分を貯えて、土壌の保水力を高めます。
（２）	土壌中の空隙を増やして膨軟にし、雨滴や踏圧による固結を防止します。
（３）	ピートモスに含まれる腐植酸が、土壌の団粒化を促進します。
（４）	ピートモスの粒子はマイナスに帯電しているので、保肥力が向上します。
（５）	ピートモスは高い陽イオン交換機能（CEC）をもっているので、土壌中のイオン濃度の変化を安定させ、施設栽培等の濃度障害を緩和します。※ピートモスは土壌中の塩類濃度が高いと塩基（陽イオン）を吸着し、濃度が低くなると塩基を放出する働き（陽イオン交換機能）を持っています。
（６）	腐植酸の働きでリン酸固定を防止します。
（７）	有機の供給により土壌微生物の活性を高めます。

当社ピートモスの有機JASへの対応は、日本農林規格において、以下の様に定められています。
当社の無調整ピートモスは、100％天然物質由来ですが、調整ピートモスは、
化学肥料等の非天然物質を含んでいますので、ご注意下さい。

※使用条件や用途により異なる場合がありますので、詳しくは、有機ＪＡＳ認定機関に、お問い合わせ下さい。

出典　有機農産物の日本農林規格より